FACT FULNESS

書名 FACT FULNESS(ファクト フルネス)

作者 ハンス ロスリング

 

副題のとおり10の思い込みを乗り越えて、データを元に世界を正しく見る習慣をわかりやすく書いてあります。

最初にクイズがあり、自分がいかに思い込みで現代社会、世界のことを見ており、実態を知っていないかを思い知りました。

10の思い込みとは、分断本能「世界は分断されている」という思い込み、ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み、直線本能「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み、恐怖本能「危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み」、過大視本能「目の前の数字が一番重要だ」という思い込み、パターン化本能「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み、宿命本能「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み、単純化本能「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み、犯人探し本能「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み、焦り本能「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み。

二酸化炭素の排出量について、西欧サイドから中国などの排出量が多いとの指摘に対して、国として見るのではなく、一人当たりの排出量を比較するべきであるが国際的な会議でそれができていない。そのような本能から事実にもとづいて本当の世界を見ることができなくなってしまう、そして誰かを責めることに気持ちが向くと、学びが止まる。というのは大変納得する部分であった。

 

事実を見るために重要なことは謙虚さを好奇心を持つこと。謙虚であるということは本能を抑えて事実を正しく見ることがどれほど難しいかに気付くこと。自分の知識が限られていることを認めること。堂々と「知りません」と言えること。新しい事実を発見したら、喜んで意見を変えられること。謙虚になると心が楽になる。何もかも知っていなくちゃないないというプレッシャーがなくなるし、いつも自分の意見を弁護しなくてはとかんじなくていい。

好奇心があるということは、新しい情報を積極的に探し、受け入れるということ。自分の考えに合わない事実を大切にし、その裏にある意味を理解しようと努めること。答えを間違っても恥とは思わず、間違いをきっかけに興味を持つこと。「どうしてそんな事実も知らなかったんだろう?この間違いから何を学べるだろう?あの人たちはバカじゃないのに、どうしてこんなことをしているんだろう」と考えてみること。好奇心を持つと心がワクワクする。好奇心があれば、いつも何か面白いことを発見し続けられる。

世界は変わり続けている。知識不足の大人が多いという問題は、次の世代を教育するだけでは解決できない。学校で学ぶことは、学校を出て10年や20年もすれば時代遅れになってしまう。だから大人の知識をアップデートする方法を見つけなければならない。自動車に欠陥があったらリコールされる。メーカーから「お客様の自動車を回収してブレーキを修理致します。」なんて手紙をもらうわけだ。学校で教わった事実が時代遅れになったら、学校から謝罪の手紙を受け取ってもいいくらいだ。「申し訳ございませんが、お客様に教えたことはもう事実ではありません。お客様の脳を回収して、無料でアップデート致します。」

でもそんな手紙がこないので、職場がこの問題に取り組んだほうがいい。

 

この本は事実にもとづき考えることの重要さを教えてくれました、また脳のアップデートは自分自身で行わないといけないと私は痛感しました。