坂の上の坂

坂の上の坂

55歳までにやっておきたいこと

著者 藤原和博さん

 

 著者はリクルートに入社し、フェローとして社内でフリーとして仕事を請け負う形をとり、その後中学校の校長をされています。海外経験から人生の過ごし方を自分なりに形成され、それを実践されています。

「はじめに」でもかいてありますがあの司馬遼太郎さんの作品「坂の上の雲」からインスピレーションをうけたのか、我々世代(作者は私より11歳上)では現役という坂を登っても一昔前のように定年で坂は終わり平地または下り坂とはなりません。定年になってもまだ坂を登らないと生活できない人が多い、または坂を登るぐらい元気に過ごしていきましょうという意味が込められているように感じました。

 内容は55歳までこれこれをやっていきましょうというような感じではなく、作者のサラリーマン人生の中でやってこられたことやその中で感じたことが具体的にかいてあり良き先輩の実体験をゆっくりと聞かせていただいているような感じです。

 特に印象に残ったのは「会社を利用し尽くす」というところ、つい会社が嫌になってやめてしまう人がいますが、いつ退職してもお金を稼げるように内的キャリアを形成するために会社と小さな社会と見立てて、その中で自分ができることをやりトレーニングをやっていくことを提案してあります。

 退職して会社の名前で営業ができていたことを痛感するという話は良く聞きます、それを在職中に認識して退職した時のトレーニングに会社を利用「し尽くす」という意識と実践が必要だと痛感した章でした。

 

 昭和40年世代はまさに坂の上にまだ坂がある、でもその坂を楽に、楽しく登るための準備が必要と教えてくれる一冊でした。